少女と過保護ーズ!!続
まっ、それは置いといて。


八雲にも頼まれてんだよ。


きちんとチビ助がこの先、志門に怯えて暮らすことがないように、チビ助自身が志門と決着をつけることを。




フーッと煙を吐き出して瞳を閉じる雪代さん。



『アレが動けるようになったら連絡してこい。そん時までうちで預かる』



死なねぇ程度に。


ボソッと呟かれた言葉。


オイオイ。




「・・・あああ・・・た・・・助け・・・」



ガンッ‼‼



「っっ・・・・・・・・・・・・・・・・」




もう一度、志門の頭を踏みつけて、完全に黙らせる。




『まぁ、お前らが拒否してこようもんなら、コレと同じ目にあわせるがな』




俺は竜ちゃんと目をあわせる。



今回ばかりは仕方ない。




『連れていけ』




今度こそ、志門が男どもに連れていかれる。



それを黙って見送る。



獲物を盗られて悔しくないわけがない。



が、雪代さんは信じられる。




後はチビ助に委ねよう。




「「チビ助、チビが行くまで、お願いします」」




二人で頭を下げる。



そんな俺らを見て、ニヤッと笑う雪代さん。




『随分殊勝になったもんだな。クソ餓鬼ども』



「「チビ助、チビのお陰ッスよ・・・多分」」



『そうか』




今度は目を臥せ柔らかく笑った・・・ように見えた。




「殺さねぇで下さいよ」


『あ"?俺が嘘ついたことあるか?』


「「あるッスよ。けっこう」」


『死ね』


「なんだよ‼本当のこと言われたからってキレんなよ‼」


「そうだ‼そうだぁ‼」


『喧しい。殺す』


「「あんだよ‼」」





ファンファンファン‼‼



忘れてた‼



警察がすぐ近くまで迫ってた。



俺らも行かねぇと。




『さっさと行け。捕まったら・・・わかってるな?』



「「へい」」




お許しが出たらしい。


もう用はないとばかりに、俺らに背を向けて去っていく雪代さん。




『アレを頼んだぞ』




そう言って。




「「・・・・・・・・だぁぁぁぁぁ‼‼」」




竜ちゃんと二人背を預けて座り込む。




「来るとは思わなかった」


「俺は知ってた」


「あ"!?言えや‼」


「んな時間なかっただろーがっ‼」




ファンファンファン‼‼




「ケンカしてる場合じゃなかったな」


「だな」




"黒豹"メンバーが残ってないことを確認してバイクに乗り込む。



竜ちゃんはさっき吹っ飛ばされた男の元へ行き2、3何かを喋ってからバイクへ。



「もういいのか?」


「ああ」




聞けば頷かれたので、俺はバイクを発進させた。



が、すぐに竜ちゃんに抜かされる。



こんにゃろう‼‼



競うようにして俺らは、チビ助と八雲が運び込まれた病院へバイクを走らせた。
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