少女と過保護ーズ!!続
凛side



「ハイネ」




ハイネが拐われた。



それを聞いたのは海斗に付いていった出張先でだった。




「ごめん。ごめん。俺のせいだ。俺が遅れたせいで・・・」




重く暗い声で花音が言った。



"あたし"ではなく"俺"と。



喋りが地に戻ってる。



自分を取り繕うことも出来ないほどショックを受けてるということで、ハイネが拐われたのが本当のことだと思い知らされた。


その日は"黒豹"は"死桜"と公道レースの日で、ハイネはそれには着いて行かず、花音と買い物に行く約束をしてたらしい。


しかし仕事が長引いて、"シャーウッド"に着いた時には全てが終わっていたという。


真中と田中だけが血だらけで倒れていてハイネの姿はどこにもなかった。



「ハイネ」



ようやく出張から帰れて向かった先は初代からお世話になってる病院で。


駆けつけて見たのは、治療を終えてベッドの上でこんこんと眠る我が子の姿だった。



両頬にガーゼをあてられ、足も手も包帯だらけの痛ましい姿。



布団で隠れているけど、右太ももには斬られたような傷があって、その傷は・・・・・・・・・・・・痕が残るという・・・。



女の子なのに‼




「ハイネ」




オデコに張り付く前髪を払って頭を撫でる。



花音の話ではもう二日も寝たままらしい。



脳裏に浮かぶのは一人の男。



たった一度だけ会ったことがあるハイネの従兄。



それが今回の黒幕だと聞いた。



あんのクソ男が。



一度ならず二度までも。



一度めも酷い姿だったが、二度めはもっと酷い。



犯されていないのが救いだ。



が、赦されるはずもない。



出来れば、あたしの手でボロボロにしてやりたい。




「ん・・・・」


「ちょっと凛‼殺気‼」




ハイネの枕元を陣取る花音に怒られた。



殺気が漏れて、その殺気にハイネが反応したのだ。




ハイネ。



不憫な子だ。


両親をいっぺんに喪い、従兄に母親の身代わりにされていたなど・・・。



良い子なのだ。



あの八雲が惹かれるほどに。




可愛い子なのだ。



あたしを姉と母と慕ってくれる。


だから幸せにしたくて我が子にした。



それが・・・・こんなことに・・・・・・・・。
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