騙すなら墓場まで
正直、うっとうしいことこの上なかった。それでも円滑な人間関係を築いておかなくてはならない。そこで一計を案じた。
──得留さん、それってもしかして……!
正恵さんに頼んで非常にファンシーなお弁当を持たせてもらった。
猫だか犬だかわからん握り飯や、妙にカラフルなおかずは効果絶大で、ほとんどの奴は声をかけて来なくなった。
それでもまぁ……猛者というのはどこにでもいるわけで。
──得留さん、そんなちっちゃいお弁当で平気なんですか? あたし、ちょっと作り過ぎちゃって……良ければもらってくれませんか?
……なぜだろう、少数精鋭だけ選抜して残したような気分になるのは。
しかしその問題もすぐに解決した。
──得留くん、君に頼みたい仕事がある
とうとう、坂崎を捕まえるための第一歩を踏み出せる段階までやってきた。
この国では異例中の異例である、潜入捜査の担当に抜擢されたのだ。