騙すなら墓場まで



 警察官になってからはひたすら仕事に打ち込んだ。没頭する俺を見かねて、正恵さんが通いで家事を請け負ってくれた。


 ──坊っちゃん、働きすぎです! オーバーワークです!


 そう何度も説教を喰らっては改善する振りをし、こっそり仕事をする癖を身につけた。結局、これもバレて養父母から大目玉を喰らったが。

 しかしその結果、警察官僚の息子だからと色眼鏡で見てくる連中を黙らせるのに成功した。坂崎を逮捕するには人員が大量に必要になるだろうからちょうど良かった。

 俺の働きは着実に評価され、順調に出世街道を駆け上がっていった。これも良い。坂崎を追い詰めるなら地位を手に入れ確実に仕留める可能性がを上げなくては。

 だが俺の行動は厄介な副産物をもたらした。


 ──得留、合コン付き合ってくれよぉ、お前いるなら絶対に女の子来るんだよぉ

 ──得留さん、いつも栄養剤だけで大丈夫なんですか? 良かったら私のお弁当食べてください!


 こんな連中が増えた。


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