ヒュントヘン家の子犬姫~前世殿下の愛犬だった私ですが、なぜか今世で求愛されています~

「治療を頼む」
「……わかった。医務室へ。シャルロットには」
「マルティナ・ティーゼを」

 解かれた腕。
 あんなに安心した檻の中が遠ざかる。
 シャルロットは、自身を抱き起こすアンナの腕にそっと触れる。

 息が苦しい。それは、アルブレヒトの腕の中にいないからというだけでは、けして、けしてありはしなかった。

◆◆◆

< 172 / 226 >

この作品をシェア

pagetop