屋上にて、君へ


一晩眠ればまた元に戻るよね……。

ん?

元に戻る?


元々の自分の声は、あんな綺麗な声なんかじゃない。元に戻るって表現はオカシイな。

変身?かな。

魔法にかけられたようだった。シンデレラのような。(目覚めは最悪だったけど)


だけどどこか不自然だった。そりゃそうだ。勝手に口が動いちゃって、あたしあんな歌うたうのは勿論、聞いたこともないよ。

なのになんで歌えたの?

ずっとずっと昔っから歌ってきたように体に馴染んでたあのメロディーは……何?


< 11 / 60 >

この作品をシェア

pagetop