キミのために一生分の恋を歌う -first stage-
「ん……どんなこと?」
「小夏は麦の前に、咲(さく)って柴犬居たの覚えてる?」
「ごめん、あんまり」
「うちが3歳の頃には居なくなっちゃったし、小夏と出会ったのは幼稚園からだもんね。覚えてなくて当然だよ。でもうちは咲のこと、ずっと覚えてる。咲はかけがえない親友だった。両親はいつも仕事で家に居なかったけど、咲はいつもそばにいてくれた」
すみちゃんにとって、咲くんがどれだけ大切な存在だったのか、その表情や声のトーンから分かってしまう。
「……初めて。初めてbihukaの曲を聴いた時、咲のことすごく鮮明に思い出したの。その時にすぐ解った。この曲を歌っているのは小夏だってことも。なぜ、歌を歌い続けるのかってことも」
「すみちゃん……」
「咲はもうこの世界のどこを探してもいない。その気持ちを知っているからこそ、うちも、小夏も動いている。そうだよね?」
「……うん」
でも、私はまだ、探している。あの人のことを。
「うちもね、小夏。同じなんだよ。咲の生きていた証を何か形にして残したいと思ったんだよ。だから服を作り始めた。始め個人でネット販売してたのが、どんどん大きくなって会社を立ち上げた。知らない? 柴犬のロゴが入った服のブランド、アオノスミ。あれはうちの作った会社なんだ」
「え……? だって私もよくお店で」
ーーAONO SUMI
それは自分もよく買ってるブランドで。若い人で知らない人はいないくらい。
言葉に詰まっていると、すみちゃんは笑った。飲み物に入った氷が溶けて、からりと音がした。
「世界は狭いよね。だって親友とやってること、ほとんど同じなんだもん」
「そうだったんだ。すみちゃんってすごい人だったんだ! 嬉しい」
「小夏もすごいよ。ほんとにすごい」
「へへ……ありがとう」
「話してくれてこちらこそありがとう」
「小夏は麦の前に、咲(さく)って柴犬居たの覚えてる?」
「ごめん、あんまり」
「うちが3歳の頃には居なくなっちゃったし、小夏と出会ったのは幼稚園からだもんね。覚えてなくて当然だよ。でもうちは咲のこと、ずっと覚えてる。咲はかけがえない親友だった。両親はいつも仕事で家に居なかったけど、咲はいつもそばにいてくれた」
すみちゃんにとって、咲くんがどれだけ大切な存在だったのか、その表情や声のトーンから分かってしまう。
「……初めて。初めてbihukaの曲を聴いた時、咲のことすごく鮮明に思い出したの。その時にすぐ解った。この曲を歌っているのは小夏だってことも。なぜ、歌を歌い続けるのかってことも」
「すみちゃん……」
「咲はもうこの世界のどこを探してもいない。その気持ちを知っているからこそ、うちも、小夏も動いている。そうだよね?」
「……うん」
でも、私はまだ、探している。あの人のことを。
「うちもね、小夏。同じなんだよ。咲の生きていた証を何か形にして残したいと思ったんだよ。だから服を作り始めた。始め個人でネット販売してたのが、どんどん大きくなって会社を立ち上げた。知らない? 柴犬のロゴが入った服のブランド、アオノスミ。あれはうちの作った会社なんだ」
「え……? だって私もよくお店で」
ーーAONO SUMI
それは自分もよく買ってるブランドで。若い人で知らない人はいないくらい。
言葉に詰まっていると、すみちゃんは笑った。飲み物に入った氷が溶けて、からりと音がした。
「世界は狭いよね。だって親友とやってること、ほとんど同じなんだもん」
「そうだったんだ。すみちゃんってすごい人だったんだ! 嬉しい」
「小夏もすごいよ。ほんとにすごい」
「へへ……ありがとう」
「話してくれてこちらこそありがとう」