お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜
「こ、これは……私と雅さんの問題であって、あなたには関係ありません」
声が震える。体も。でも、言わなきゃ。
「私は西園寺雅さんと結婚するのであって、西園寺家と結婚するわけではありません」
息が浅い。大きく、ひとつ吸う。
「私が愛して、一生一緒にいたい人は、雅さんです」
胸が苦しい。
「彼が西園寺でなくても……私は、雅さんと一緒にいたい」
ああ、喉が渇く。心臓の音もうるさい。
でも、あと一言。
「先ほどの提案ですが、私は水に流すつもりも、あなたと仲良くするつもりもありません!」
言い終えた瞬間、肩で息をする。
……言えた。私、ちゃんと言えた。
その瞬間、雅さんの腕に引き寄せられる。ふわりと、安心する紅茶の香り。
……あれ?
今、私ーー結婚するって、言った?
「いよりくんはなぜ、彼女に謝罪したんだ? 本当に悪いと思っているのか?」
ここでようやく雅さんが口を開いた。
「美愛ちゃんは俺を一人の人間として見てくれている。今までの西園寺の名を欲しがるだけの女たちと彼女を一緒にするな!」
「で、でも雅、この子と知り合って、そんなに長くないじゃない? 騙されてるわよ!」
「俺たちは15年以上前に出会ってる。彼女のおかげで今の俺と会社があるんだよ。何も知らないお前がーーこれ以上大切な美愛ちゃんを侮辱するなら、俺は許さない」
初めて聞く、雅さんの怒鳴り声に驚いた。でもそれ以上に、私のことを庇ってくれたことが、何よりも嬉しい。
呆然としている『非常識いより』を差し置いて、紫道さんが再び深く頭を下げ、雅さんと私に謝罪する。そして、いよりさんを連れて静かに出ていった。
「け、圭衣ちゃん、ごめんね。圭衣ちゃんのお友達なのに。で、でも……」
いくら私に非常識な態度をとったとしても、圭衣ちゃんのお友達だ。私のせいで二人の友情にヒビが入ってしまうのでは。
「フッ、よく言ったわ。心配しないで」
圭衣ちゃんは、すでに閉じられたドアに、そっと視線を送った。
「紫道と私は親友だけど……以前から、いよりの言動には紫道も手をこまぬいていてね。あとは紫道次第だわ」
そう言った圭衣ちゃんは、私とようちゃんをいっぺんに強く抱きしめる。
「も〜、あなたたち大好きだよ。葉子もやっと帰ってこれたし、美愛も無事だったし!」
「く、苦しいよ、圭衣……まあ、収まるところに収まってよかった。んじゃあ、あたしはホテルへ戻るよ」
仁さんがようちゃんを送り、圭衣ちゃんが私たち三人をマンションまで送ってくれた。
声が震える。体も。でも、言わなきゃ。
「私は西園寺雅さんと結婚するのであって、西園寺家と結婚するわけではありません」
息が浅い。大きく、ひとつ吸う。
「私が愛して、一生一緒にいたい人は、雅さんです」
胸が苦しい。
「彼が西園寺でなくても……私は、雅さんと一緒にいたい」
ああ、喉が渇く。心臓の音もうるさい。
でも、あと一言。
「先ほどの提案ですが、私は水に流すつもりも、あなたと仲良くするつもりもありません!」
言い終えた瞬間、肩で息をする。
……言えた。私、ちゃんと言えた。
その瞬間、雅さんの腕に引き寄せられる。ふわりと、安心する紅茶の香り。
……あれ?
今、私ーー結婚するって、言った?
「いよりくんはなぜ、彼女に謝罪したんだ? 本当に悪いと思っているのか?」
ここでようやく雅さんが口を開いた。
「美愛ちゃんは俺を一人の人間として見てくれている。今までの西園寺の名を欲しがるだけの女たちと彼女を一緒にするな!」
「で、でも雅、この子と知り合って、そんなに長くないじゃない? 騙されてるわよ!」
「俺たちは15年以上前に出会ってる。彼女のおかげで今の俺と会社があるんだよ。何も知らないお前がーーこれ以上大切な美愛ちゃんを侮辱するなら、俺は許さない」
初めて聞く、雅さんの怒鳴り声に驚いた。でもそれ以上に、私のことを庇ってくれたことが、何よりも嬉しい。
呆然としている『非常識いより』を差し置いて、紫道さんが再び深く頭を下げ、雅さんと私に謝罪する。そして、いよりさんを連れて静かに出ていった。
「け、圭衣ちゃん、ごめんね。圭衣ちゃんのお友達なのに。で、でも……」
いくら私に非常識な態度をとったとしても、圭衣ちゃんのお友達だ。私のせいで二人の友情にヒビが入ってしまうのでは。
「フッ、よく言ったわ。心配しないで」
圭衣ちゃんは、すでに閉じられたドアに、そっと視線を送った。
「紫道と私は親友だけど……以前から、いよりの言動には紫道も手をこまぬいていてね。あとは紫道次第だわ」
そう言った圭衣ちゃんは、私とようちゃんをいっぺんに強く抱きしめる。
「も〜、あなたたち大好きだよ。葉子もやっと帰ってこれたし、美愛も無事だったし!」
「く、苦しいよ、圭衣……まあ、収まるところに収まってよかった。んじゃあ、あたしはホテルへ戻るよ」
仁さんがようちゃんを送り、圭衣ちゃんが私たち三人をマンションまで送ってくれた。