お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜
紫道さんと、その後ろで小さくなっているいよりさんから、改めて謝罪された。

最初に口を開いたのは、いよりさん。


「ごめんなさい。圭衣の妹だとは知らなかったの。知っていたら、あんなこと言わなかったわ」

……それって。圭衣ちゃんと関係なければ、何を言ってもいいってこと?

胸の奥が、ざわつく。


「違うだろう」


紫道さんが、すぐに遮る。


「私のパートナーが失礼な言動を取り、不快な思いをさせてしまいました。申し訳ありません」


この人は、ちゃんとしてる。


「紫道さんが謝る必要はありま……」

「ねぇ、お嬢ちゃん」


えっ、遮られた?


「もう水に流して、仲良くしましょうよ」


どうして、そんなふうに言えるの?


「圭衣に怒られちゃったしさ。私、雅のことも好きだし」


それ、謝ってるんじゃない。

『非常識いより』さんは軽い調子のまま、続ける。


「ねぇ、お嬢ちゃん…… これくらいで大袈裟にするなんて、西園寺家の嫁は無理じゃない?」


……っ。さっきから『お嬢ちゃん』って。

言い返したいのに、言葉が出てこない。その時、肩にそっと温もりを感じた。


「美愛ちゃんが思ってること、言っていいんだよ」


雅さんの声が優しく、背中を押してくれる。


「雅ったら〜、お嬢ちゃんを甘やかしちゃダメじゃない。この子は本当に西園寺家に相応しいの?」


いよりさんの余計な一言。私の中で、何かが切れた。

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