お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜
第5章:少し近づく二人

美愛サイド

社長とケーキ食べ放題へ行ってから、早くも2ヶ月半が過ぎた。

季節はすでに、残暑が続く秋。

『Bon Bon』では、南ドイツのコーヒーとお菓子『Schatz』との契約が成立。

そして、以前から進められていたプロジェクトも、少しずつ形を成しつつある。一つはカフェのオープン、もう一つは売上が芳しくない商品の活用法案だ。

社長、副社長、そして五人の部長たちが第1会議室を使用する頻度が増えた。特に来年オープン予定のカフェの枠組みが整ってくる。

『カフェBon Bon』は、社長が長年温めてきた夢を形にした場所。ヨーロッパのコーヒーやお茶と共に、簡単な軽食とスイーツを楽しんでもらうことをコンセプトにしている。気軽に利用できるコーヒーショップスタイルと、ゆっくりくつろげる喫茶店、その二つを合わせたような空間だ。イートインスペースも完備しつつ、持ち帰りも可能で、『Bon Bon』で扱うお菓子やコーヒーなども購入できる。

現在把握している限りでは、第1号店舗はサクラスクエア内の駅に近い場所になるらしい。内装や家具についてはほぼ決定しているが、肝心のスイーツの選定が難航しているようだ。

社長と副社長は始業前に出社し、終業後も遅くまで残っている。他社とのミーティングで外出することも多く、基本的に単独で出向く。私と美奈子さんはそれぞれ社長室と副社長室で仕事をすることが多く、お昼休みも仕事をしながら食事をとるほど毎日が慌ただしかった。




ここ数日、社長の顔色が優れないように感じる。あまり食事をとっていないようだ。コンビニに行くと、よくエナジードリンクを頼まれる。こんなことを続けていたら、いつか倒れてしまうかもしれない。

今日、たまたまお昼も社長室で仕事を続けていた社長へ、多めに作ってきた私のお弁当のサンドイッチと、『スーパー伊乃国屋』で購入した麹だけで作られた甘酒をおすそ分けした。喜んで食べてくれて、よかった。手づかみで食べられるサンドイッチが、忙しい社長にはちょうどよかったのかもしれない。お弁当を持参している私にとって、二人分を作ることくらい大した手間ではない。
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