お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜
「美愛ちゃんが思っていること、昨日感じたこと、俺に対してのこと……すべて聞かせてほしい。どんなことでも受け止める。たとえそれが罵倒であっても」


昨日からの私の気持ち? ありすぎて、整理なんてできない……本当に、言っていいの?

迷っている私に、雅さんがもう一度優しく声をかけてくれた。


「全部受け止めるから。だから、美愛ちゃんが思っていることをすべて俺に教えて。覚えている、コミュニケーションを大切にすること?」

「き、昨日、今まで聞いたこともない冷たい声と、見たこともない冷たい表情の雅さんに……」


突然、昨日のように胃が冷たくなり、思わず両手でみぞおちを押さえた。ギュッと目を閉じ、うつむいてしまう。彼は優しく私の頭を撫でながら、深呼吸を促してくれた。

落ち着きを取り戻し、泣きたいのをこらえながら、もう一度口を開いた。


「あ、あのね。あんな風に雅さんに問い詰められて、とても悲しかった。何もしていないのに、私が悪いと思わされて……」


何もしていないのに、責められた感覚。
他人に、全部決められてしまうこと。


「何だか自分がどうでもいいように扱われている気がして、いてもいなくてもどうでもいい存在のように……」


話し終わる前に、彼に抱きしめられた。


「本当にごめん……ごめん。美愛ちゃんはどうでもいい存在なんかじゃないよ。これ以上、傷つけたくなかったんだ」


そして、雅さんからまだ伝えたいこと、伝えなければならないことがあると言われる。

心配そうに見つめる彼に、静かにうなずいた。

雅さんは、自分の家のこと、家族のこと、過去の恋愛について、静かに語り始めた。そして、迷子の子を助けた話も。


「おそらく5、6歳くらいだったと思う。とてもきれいな目をしていてね。俺にはその子が、まるで天使や妖精のように見えたんだ。でも、なかなか泣き止まなくてね」


優しい目で微笑む雅さん。話を聞いているうちに、あの日の出来事が自分の中で重なっていく。まさかね……でも、まだ確信が持てない私は、さらに彼の話を聞くことにした。


「その子はお菓子が好きだと言っていたので、カバンの中からフランスのキャラメルをあげたんだーー『Meuh』のキャラメルを」

「う、うそ……」


大きく目を見開いて息を飲む私に、彼は話を続けた。
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