お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜
第8章:婚約指輪
美愛サイド
幼い頃から思い続けていた夢への第一歩。
ーー雅さんからのプロポーズ。
早いもので、もう11月になった。
あれから、家族への挨拶や両家の顔合わせ、結婚式と披露宴について話し合っている。けれど、まだ挨拶すら済んでいない。結婚式は内輪で3月に予定しているのに、式場も未定で、とにかく時間が足りない。
雅さんは私の実家に何度も訪れており、アメリカにいるようちゃん以外の家族とも、良好な関係を築いている。
一方で、私はまだ西園寺家に伺ったことがない。唯一挨拶したことがあるのは、京兄さまだけだった。
私、西園寺家の人たちに認められていないのかな。
雅さんは相変わらず忙しい。結婚式の前月にあたる2月には、『カフェBon Bon』のオープンも控えている。
最近はすれ違いの生活が続いており、週末も含めて彼が一人で出かけることが多くなった。そのせいか、少し不安になっていた。
今晩も10時半頃に帰宅し、今はシャワーを浴びている。
キッチンで明日の準備をしていた私の横を通り過ぎた時、微かに知らない香りが漂ってきた。
普段香水をつけない私でもわかる。ーー女性用の香水だ。
花とバニラが混ざり合ったような、甘ったるい香り。
確か今夜は九条社長と食事をする予定だったはず。そして明日も遅くなると言われていた。
「コミュニケーションを大切に」と言われたけれど、聞けない。どんな答えが返ってくるのか、怖くて聞けないのだ。
私の考えすぎかもしれない……そうであってほしい。
次の日の夕方、退社前に社長室に呼ばれた。
「社長、お呼びでしょうか?」
雅さんは机から立ち上がり、私の前まで来た。
「忙しくてごめん。もう少しで落ち着くよ。今夜は大和と一緒にご飯を食べに行ってくる。その前に――美愛ちゃんを充電させて」
久しぶりに抱きしめられて、嬉しいはずなのに。心がざわつく。
昨日の香りが、まだ消えない。
ねぇ、雅さん。本当は、誰とどこに行くの。
ーー雅さんからのプロポーズ。
早いもので、もう11月になった。
あれから、家族への挨拶や両家の顔合わせ、結婚式と披露宴について話し合っている。けれど、まだ挨拶すら済んでいない。結婚式は内輪で3月に予定しているのに、式場も未定で、とにかく時間が足りない。
雅さんは私の実家に何度も訪れており、アメリカにいるようちゃん以外の家族とも、良好な関係を築いている。
一方で、私はまだ西園寺家に伺ったことがない。唯一挨拶したことがあるのは、京兄さまだけだった。
私、西園寺家の人たちに認められていないのかな。
雅さんは相変わらず忙しい。結婚式の前月にあたる2月には、『カフェBon Bon』のオープンも控えている。
最近はすれ違いの生活が続いており、週末も含めて彼が一人で出かけることが多くなった。そのせいか、少し不安になっていた。
今晩も10時半頃に帰宅し、今はシャワーを浴びている。
キッチンで明日の準備をしていた私の横を通り過ぎた時、微かに知らない香りが漂ってきた。
普段香水をつけない私でもわかる。ーー女性用の香水だ。
花とバニラが混ざり合ったような、甘ったるい香り。
確か今夜は九条社長と食事をする予定だったはず。そして明日も遅くなると言われていた。
「コミュニケーションを大切に」と言われたけれど、聞けない。どんな答えが返ってくるのか、怖くて聞けないのだ。
私の考えすぎかもしれない……そうであってほしい。
次の日の夕方、退社前に社長室に呼ばれた。
「社長、お呼びでしょうか?」
雅さんは机から立ち上がり、私の前まで来た。
「忙しくてごめん。もう少しで落ち着くよ。今夜は大和と一緒にご飯を食べに行ってくる。その前に――美愛ちゃんを充電させて」
久しぶりに抱きしめられて、嬉しいはずなのに。心がざわつく。
昨日の香りが、まだ消えない。
ねぇ、雅さん。本当は、誰とどこに行くの。