海と少女
海鳴り
信也はどこからか、カップ麺を探し出してきた。

あと、お酒も

この辺りの
地酒っぽい

とりあえず、それを夕食にして、今日は寝ることにする。


コタツで…

ここでいい


こたつとテレビしかないけど、ここ、あたしの部屋より広いじゃん。


なんだか心細くて、信也の手を握りしめた。


「ごめんな…」


「なにが?」


「なんか、こんなことになってしまって、ゴメン」


豆電球の小さな明かりを見ながら、信也は言った。


「いいよぉ、夫婦だモン☆」


信也が手を握り返してきた。


遠くで海の音が聞こえる。

その音を聞きながら
あたしは眠りについた。
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