『46億年の記憶』 ~命、それは奇跡の旅路~   【新編集版】
「戌の日か~」

「知ってた?」

「もちろん、知ってるよ」

「へ~、そうなんだ。私全然知らなかった」

 帰宅した新が戌の日のことを詳しく教えてくれた。

 妊娠5か月目にする安産祈願のことで、12日おきに巡ってくること、その日に腹帯を巻いて神社で安産を祈願すること、祈祷(きとう)をしてもらうためには初穂料(はつほりょう)が必要で、相場は5千円から1万円くらいだということ、お守り一式がセットになったものが別途売っていること、服装は特に決まりはなくカジュアルなものでいいこと等々、すべて考子が初めて聞くことばかりだった。
 
「行った方がいい?」

「そうだね、せっかくお義母さんが心配して電話してくれたんだから行ってみようよ」

「あなたがそう言うなら」

 まだはっきりと呑み込めていない考子は、頬杖をついて、神社のある方角に目を向けた。

< 101 / 195 >

この作品をシェア

pagetop