『46億年の記憶』 ~命、それは奇跡の旅路~   【新編集版】
 ところで、20週を超えた頃から瞼が開いて少し目が見えるようになってきたの。
 ボーっとだけど見えるようになったのよ。
 初めて目にしたものはね、いつもチューチューしている左手の親指だったんだけど、細い管みたいなものも見えたの。
 それはね、わたしのおへそから出ていてね、ママのお腹に繋がっているものらしいの。
 これって何かな? 
 と思って恐る恐る左手を伸ばして触ってみたの。
 すると、その細い管が話しかけてきたの。
「私はへその緒ですよ」って。
 わたしとママを繋ぐ命の綱なんだって。
 酸素や栄養を届けてくれる大事な役目をしているらしいの。
 だから、これがないとわたしは生きていけないのよ。
 元気でいられるのはへその緒さんのお陰だと思うと、その細い管がとても愛おしくなって、思わず頬ずりしちゃった。
 そして、ママにお願いしたのよ。
 おいしいものをいっぱい食べてわたしに届けてねって。


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