『46億年の記憶』 ~命、それは奇跡の旅路~   【新編集版】
 6月5日、考子が泣いていた。
 ぼろぼろと涙を流していた。
 それは哀しみの涙であり、悔しさが滲む涙でもあった。
 
 横田めぐみさんのお父さんが亡くなられた。
 最愛の娘、めぐみさんとの再会を果たせないまま、87歳で息を引き取ったのだ。
 めぐみさんが拉致されてから43年間、いつか帰ってくると信じて、待って待って待ち続けたのに、遂に命が尽きてしまったのだ。
 どれほど無念だったろう。
 それを思うと、考子の心は針を突き刺されたように激しく痛んだ。
 その目からは涙が溢れ続けた。

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