『46億年の記憶』 ~命、それは奇跡の旅路~   【新編集版】
「下着はよろしいですか?」

 店員は後方にある下着コーナーに視線を向けた。
 
「伸縮性や通気性に優れた下着、肌触りの良い下着を揃えているんですよ」

 振り向いた店員に促されるように考子も従うと、下着コーナーには、ゆったりとしたサイズのブラジャーやショーツやガードルなどが並んでいた。どれも胸やお腹をすっぽり包み込むデザインだった。
 
「最初はこのデザインや着心地に違和感があると思いますが、これから大きくなっていく体をゆったりと包んでくれるものがいいと思いますよ」

 近くにあったショーツを広げてみた。
 股上が長くてお腹やお尻がすっぽり入るくらい大きかった。
 いま自分が身に着けているものよりかなり大きかった。
 これを身に着けた自分を想像しようとして、止めた。
 デザイン性を頭から追い出さなければならないと思ったからだ。
 なによりもお腹の赤ちゃん優先で決めなければならない。
 窮屈な思いをさせたり、負担をかけてはいけないのだ。
 ここでも店員の勧めに従って、機能性重視でそれぞれを買った。
 しかし、色だけは楽しみたいので、ピンクを中心にパステルカラーでまとめた。

< 85 / 195 >

この作品をシェア

pagetop