【完結】亡国王女の占い師は、情熱の地で若き覇王に甘く優しく溺愛される

「……なんですって……革命ってどういう事よ!? 世界は統一されたの! 帝国はもうなくなったのよ!? ホマス皇帝だって、ただの領主となって世界は平和になったんだから!」

「世界平和だなんて、そんなの覇王の綺麗事だろ! お前は王女でそんな事もわからないのかよぉ!!」

 突然に、怒りだすウィンタール。

「じゃあ貴方はトラプスタの王族でありながら、何故祖国を滅ぼした帝国の味方をするの!?」

「何が世界平和だよ! くそったれ! あんな覇王なんかに僕の恨みはわからない!! 帝国の方がマシなんだよ!!」

「はっ……?」

「お前だって思うだろう! 統一するなら早くしろよ、くそったれ! 無能覇王だ! 滅ぼされた一年後なんかに綺麗事の統一だぁ!? 僕が逃げる時に、どれだけ苦労したか知らないだろう!」

「は、覇王のせいじゃないでしょ! 我が国を滅ぼしたのは帝国よ!」

 そう言っても、ウィンタールのように覇王への複雑な感情があったのは確かだ。
 改めて、マキラは自分の心の穢れを恥じた。

「覇王め! この僕が、一般庶民なんかなれるわけないだろうが!! でも帝国は優しかったんだよ! 捕まったけど手厚い保護を受けてね! 僕は、帝国が裏で流している禁魔道具を売りさばく仕事を請け負っているんだよ。それはそれは儲けさせてもらっている」

「な……禁魔道具は帝国が……!?」

 あの狼男になって死んだ男を思い出す。
 ウィンタールは褒められたとでも思ったのか、ニヤリと笑った。 

「あぁそうだ。かなりの世界の闇ルートを僕が広げたんだぜ? 王族だった時よりも、いい暮らししてるかもねぇ?」

「なんてことを……犠牲になっている人が沢山いるのよ!? まさか鏡で狼になる……あの禁魔道具も……?」

「おお~? お前も知ってるのかい? あれは傑作で最近の人気商品だ! 犠牲って、生きる価値もないアホどもが死んだところでどうだって言うんだよ? それに穢れた死骸はまたいい値で売れるんだよ。一石二鳥だろ」

 あまりの嫌悪感に、言葉も出ない。
 その様子を見て、マキラが何故か悲しくて泣いていると思ったようだ。

「お前も大変だったなエフェーミア。お前は少しお転婆だが純真無垢で、本当に美しく可愛くて僕はすぐにでも結婚したかったんだ」

 舐めるような視線に、ゾクリとした。

「だけど、女王がまだ子供だから触れさせないとケチをつけて……大した戦争もできぬから、国を滅ぼしたチンケな女王だったな~~あのババア」

 部屋の中なのに、ウィンタールは床に唾を吐く。
 血が沸き立ちそうな程の怒りを感じた。
 
「貴様!! 母上を愚弄する気!? この変態野郎!!」

「おいおい、エフェーミア~? 夫になんていう言葉遣いだよ。成長しちゃって残念な気持ちもあるけど、ちゃんと愛してあげるからね」

「貴様の妻になど誰がなるか! 穢らわしい!!」

「穢らわしいのはお前だろう~? 可憐なエフェーミアが他の男に処女を……僕は信じられない。いつの間にかそんな淫らになってしまったのか……でもまぁ仕方ないね。男に股を開かなければ生きていけない酷い人生だったんだ……それでも許すよ」

「そんな事していないわ!! 私の愛をバカにしないで!!」

「ひゃひゃひゃ!! 遊女でもしてたんだろう? お前は美人だからなぁ」 

「私達は逃げたみんなと、頑張って働いて生き延びてきたのよ!! それに遊女だとしたって、犯罪者の貴方にバカにされる筋合いなんかない!!」

 マキラの必死の訴えにも、ウィンタールは笑うだけだ。
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