【完結】亡国王女の占い師は、情熱の地で若き覇王に甘く優しく溺愛される

「マキラ、まずは水を飲んで風呂に入ろうか……服も着替えよう。君のお気に入りの寝間着に……」

 マキラが微笑まずとも、シィーンの優しさは変わらない。
 それが狂いそうなほどに、マキラの心を締め付ける。

 ローテーブルには、果物や水差しが用意されていた。
 グラスに水を注いで、渡してくれようとするシィーン。

「……お許しください……覇王様」

「マキラ?」

「覇王様を、騙すつもりなどありませんでした……申し訳ありません。申し訳ありませんでした……」

 マキラはローソファから降り土下座し頭を下げて、謝り続ける。

「やめるんだ。何を謝る? マキラ、俺はシィーンだ。君の恋人だよ」

 シィーンは、マキラの頭を上げさせるようにして両肩を支えた。

「いいえ、貴方は覇王ガザルシィーン様です。……そして私は、貴方の御存知のとおり……滅亡した国の女です」

「確かに君の生まれはそうかもしれない。でもそれは俺達の愛に関係ない」

「関係はあります……私は……。どうかお元気で……許してください」

 無表情で頭を下げ、そのまま立ち上がって宮殿から去ろうとするマキラ。
 その身体を、シィーンは後ろから抱き締めた。
 
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