転生先は悪妻~旦那様はお呼びじゃないの~
「俺はな。この女を追い出したかったんだ。ベリンダを連れてくれば、いつものように怒り狂い、殺してくれると予想していたのに。なかなかやって来ない。現場を掴めなければ、いつものようにもみ消される。だから――……」

 ここから離れられなかった。そう旦那様は自白した。

「私を追い出したかった気持ちは、まぁ分かりますが、そちらの方は? 私には、ベリンダ嬢の殺害も、望んでいるように聞こえたのですが」
「その通りだよ。この女も君と同じさ。俺にあれこれ指図する目障りな女。腹の子だって、本当に俺の子なのかも怪しい。二人まとめて処分できるのなら、ちょうどいいと思ったんだ」

 オリヴァーが旦那様に掴みかかろうとするのを、私は止めた。
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