双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?


「俺らと違って、人間は弱いからさ。雨に打たれただけでも風邪を引くんだよ」

「……面倒だな、人間ってやつは」

「思ってもないくせに」


フッと笑った後、イオは「それより今日の晩ご飯はなに?」と聞く。

久しぶりの家だというのに、さすが実家とあってか順応が早い。冷蔵庫を漁った後、いつも常温食品が置いてある棚を引っ張り出した。

もしかして俺の料理を待ってるのか?
うーん。でも、今日はなぁ……。


「さゆとケンカしちまったし、全く作る気しねぇ……」

「バカ。だとしても、ご飯を作って、さゆに持って行ってあげるの。さゆは晩御飯を楽しみにしてたんだから、お腹空いてるに決まってるでしょ」

「〝楽しみ〟ねぇ……」


さっき、さゆが言った言葉を思い出す。
確か、俺の笑顔がどうとか、こうとか。


『王史郎の笑った顔がみたいと思うのは、そんなにいけないこと!?』


一瞬、何を言ってるか分からなかったが、要約すると――さゆが楽しみにしていたのって、俺の料理と、俺の笑顔?

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