双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「それにしても……イオが〝このタイミング〟で帰ってきてくれて良かった」
「そろそろ、だもんね」
「あぁ」
シン、と。まるで雪が降った夜みたいに、静かになったキッチン。出来上がったオムライスが、静かに湯気を立てている。
「ま、今しんみりしてても仕方ないし。
コレ、さゆの所へ持って行くわ」
「はふにほほひふー(さゆによろしく)」
「こら。マナーが悪いぞ」
「ほへんめー(ごめんね)」
全く反省していない弟の顔を見て、さゆの部屋へ向かう。
二階へ続く、幅の広い階段。さっきさゆは、どんな気持ちで、この階段を上がったんだろうか。
もしかして、泣いていたのか?
もしそうだとしたら……イヤだな。
「さゆ、入るぞ」
控えめにノック……する前にドアに耳を近づけると、小さな寝息が聞こえた。
やっぱ寝ているのか。それなら枕元にオムライスを置いておこう。腹減った時に食うだろうし。
「……お、お邪魔します」