可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
吊り上がった目が私を捕らえて、見られてるだけなのに動けない。

「ファッションショーはエンターテインメントだ!」

ハットを被り直してバッと両手を広げた。
道端でミュージカルでも始まるんじゃないかってぐらい身振り手振りが大きくてなぜか目が離せない。

「それでいて学ぶ場だ。切磋琢磨する姿もいい、お互いの信頼関係だって必要だ…服を託す方託される方どちらも大事だ!」

デザイナーとモデルは2人で1つ、一成もそんなことを言っていた。

その意味が今なら少しわかる。

「オグラナノ、君は素晴らしいモデルだったよ」

じぃっと見つめられ、ゴクリと息を飲むようで。

「…あ、ありがとうございます」

「でも…」

だけど、ふいに視線を外したから。

「あのドレスはつまらないな」

吐き捨てる、さっきまでの表情からまた変わっていく今度は冷たく凍てつくような目をしていた。

「ただ派手なだけでつまらない。そんなところにいたら君の才能も死ぬぞ」

………は?

はぁーーーーーーーー!?
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