あなたと運命の番になる
週末になり、陽菜とランチに来ていた。

陽菜には和真とのことを電話で話しており、今日はその事を詳しく聞きたいと言われていた。

「電話越しにでもドキドキ、キュンキュンしちゃったよ!!山城さんかっこいいね。あんなイケメンにそんなことされちゃったらやばすぎるわ。」

陽菜はメニューを決めると話し出す。

「でさ、その後も連絡とってるんでしょ??なんてー??」

陽菜はルンルンで聞く。

「仲良くさせてもらってるよ!!」

蘭は笑顔を作って答える。
楽しい話のはずなのに、蘭のテンションが低いことを不思議に思う。

「蘭、山城さんとなんかあった?」

「本当に何もないよ。」

その後も蘭はいつもより上の空な様子で少し暗く感じる。

「ねぇー、蘭!仕事でなんかあった?それとも何か別のことで悩んでたりする?」

蘭は少し難しい顔をする。

「蘭!!私らの間柄で秘密事はなしだよ!なんでも言ってよ!ねっ!!」

蘭は少し考えた様子だったが、告げる。

「彼が昨日出所した。検察官の人から連絡あったんだ。」

「えっ。
付けられてそうな感じとかないよね。そいつから連絡きたとかないよね。」

陽菜は心配そうに言う。

「ないよ。多分向こうはもう私の事なんて忘れてるから大丈夫だよ。昨日急に聞いたから、驚いちゃってただけ。心配かけてごめんね。このサラダ美味しいね!」

蘭の引きつった笑顔に陽菜はますます心配になる。

「ねぇ、山城さんに言った??」

「言わないよ。そんなこと聞かされてもでしょ。」

「言った方がいいよ。山城さんならなにかしてくれるかもよ。この1ヶ月くらいは1人で行動したらダメだよ。仕事の往復はタクシー使いなよ。」

「そんなお金どこにあるよ笑
職場までそんなに距離ないし、大丈夫だよ。」

「絶対だめ!!!」

陽菜の大きな声に蘭は驚く。

「怖がらせるつもりはないけど、やつ、蘭にめっちゃ執着してたよ。ねぇ、お願いだよ。1人での行動は避けて。お金なら私も払うよ!ねっ!」

陽菜は必死になって話す。

「ありがとう。気をつけるね!」

「絶対だからね。」

陽菜の様子を見て、本当に心配してくれているのがわかり、蘭は少し嬉しくなると共に身を引き締めた。
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