あなたと運命の番になる
蘭の母と瞳は、蘭の状態を話して、連絡先の交換をする。

「蘭ちゃん、大丈夫か??気持ち悪いかな?」

蘭が小さく頷いたので、拓也はガーグルベースンを渡す。

「吐き気止め飲めそう?飲むのしんどかったら点滴するね。」

「飲めます…。」

蘭はそう言って、拓也から吐き気止めをもらって飲む。

飲み込む時に少し、気持ち悪かったが、深呼吸をする。拓也は蘭の背中をさすってあげたいが、蘭が男性に抵抗があることは分かっていたし、特に手紙のこととかヒートもあって抵抗感が増しているのに気づいていた。

「蘭ちゃん、気持ち悪いね。大きく息はいてー、フーフー。」

拓也は声をかけ、蘭も深呼吸しようとするが上手くいかない。

「真由、保冷剤と扇風機取ってきて。
蘭ちゃん大丈夫だからね。」


蘭はヒートの火照りも出てきて、苦しそうになる。
抑制剤の効果が薄れてきた……。

「お兄ちゃんどいて!
私もΩだから、しんどいの分かる。ゆっくり息はいて呼吸しようか!!」

真由は蘭が辛そうで見ていられなかった。兄が蘭が男性に抵抗があって、触れられないんだろうと気づく。

「女同士だし、年齢も同じくらいだよね!ごめんね。少し触るね。怖かったら言ってね。」

真由はそう言って、蘭の脇に保冷剤を挟み、背中をさする。

「しんどいよね……。」

真由は呟く。

和真は真由から手持ちの扇風機を受け取り、冷風をかける。

少しずつ火照りが薄れて、呼吸が整う。

そして、疲れきった蘭はそのまま眠った。
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