あなたと運命の番になる
拓也の家前まで来る。
広い家は堀で囲まれており、外からは中が見えない。
拓也が車内からボタンを押すと、扉が開き車が進む。

広い庭と車が何台も止められるような、ベランダがある。

すごっ…。
蘭と母は驚き、息を飲む。

「はじめまして。拓也の母の瞳です。」

瞳が大きな建物から出てきて、にこやかな笑顔で挨拶する。その隣には妹の真由がいた。

蘭と母はぺこりと挨拶する。

「体、大丈夫??外寒かったでしょ。部屋に入ってね。」

瞳に誘導されて、蘭と母は部屋に入る。

大きな家に住む奥様だが、物腰柔らかいその様子に少し安心する。

案内された部屋には大きなベッドに、3-4人が座れるソファと机、ハンガーラックなどが置いてある。

「しんどいでしょ。横になってていいからね。」

そう言われても初めて来た家ですぐはい、分かりましたと横になるのは気が引ける。

「今日は体を休めるために来てもらってるんだから、気にしなくていいの。車疲れたでしょ。横になって。」

瞳の言葉で、蘭は横にならせてもらう。
強めの抑制剤の影響もあって、少し吐き気があったので、ありがたい。
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