あなたと運命の番になる
｢美味い！！｣
和真はそう言って大きな口で頬張る。

蘭は和真の家でハンバーグを作った。
和真はほとんど料理はしないが、塩こしょうなど最低限の調味料は持っていた。

普通のハンバーグとチーズハンバーグを作り、デミグラスソースを添えた。
ハンバーグに少し豆腐を入れることで柔らかくなるし、栄養も取れる。蘭のこだわりだ。

｢そう言っていただけてよかったです。｣

和真がぱくぱくと食べてくれるので、蘭は嬉しくなる。いつもは頼もしい大人の男性だが、ニコニコとたくさん食べる和真の姿は少年のようにも見えて愛おしくなる。

蘭が片付けしようと立ち上がると、和真も隣についてくる。

｢私、片付けちゃうんでいいですよ。ゆっくりしてください。｣

｢一緒にやろ！それの方が早く終わる！｣

和真はそう言って、蘭のスポンジで洗った食器を水で流していく。
副社長という立場なのにそれを蘭といる時は感じさせない優しさに蘭は胸が温かくなる。
< 149 / 173 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop