あなたと運命の番になる
「失礼します。」
2人が入った瞬間
「申し訳ない!!昨日のこと、そして今までのこと。
大黒さんは真面目に働いてくれているのにΩだということで冷たい態度をとってきた。
これからは改めていく。
簡単に許してもらえるとは思っていないが、まだここで僕が働ける猶予がほしい。
一緒に働いてくれないか?」
予想外の出来事に驚く。
なにか怒られるのではないかと思ったら、謝られた。
いつもの工場長の雰囲気とは違っており、正直なにがなんだかわからない。
言葉に困っている蘭を見て、和真が口を開く。
「残業代は遡って請求が可能なはずです。今までの残業手当の申請を提出してもいいですよね、工場長?」
工場長は和真を怯えるように見て、下向きながら大丈夫だと伝えた。
「よかったです!大黒さん、しっかり申請してくださいね。労働者の権利ですから。」
「あっ・・はい、ありがとうございます。」
蘭はこの状況をまだ掴めないでいた。
何故かわからないが、和真の方が優位にみえる。
昨日とはまるで違う工場長の態度をまだ頭が処理しきれていない。
この短時間でいったいなにがあったんだろうか。
沈黙の時が流れる・・・
工場長が憔悴した表情で口を開く
「大黒さん、まだ一緒に働かせてもらえないかな?」
「えっ、あっはい・・。」
「大黒さん、拒んでもいいんですよ。今までされてきたことを訴えれば、辞職に追い込めます。」
急に恐ろしいことを言う和真を見上げる。
訴える?
そこまでのことは考えたこともなかった。
ただ・・・。
もう少し働きやすい環境にしてほしい。
「退職なんてしなくていいですよ。工場長にはお子さんもいらっしゃいますし・・・。
ただ、もうちょっと働きやすくなればいいかなって・・・思ったりは・・・してます。」
蘭は初めて工場長に意見を言う。
緊張で語尾がの声が小さくなる。
「異常な残業はさせない。
もし仕方ない残業があった場合は、残業手当を払う。
ヒートによる休みはしっかりとらす。休んだ後、馴染めるようにフォローする。
このようなことお願いしてみたらどうですか?
他にもなにかあれば言っておいたらいいですよ!」
和真の提案に驚くが、かなりありがたい内容だ。
他に望むことは特にない。
「・・・お願いしたいです。」
「もちろんだ。」
工場長が蘭の願いを受け入れることとなった。
退職を免れて、少し安堵の表情をする。
「大黒さんが、優しい方で良かったですね。では失礼します!」
和真は蘭に部屋から出るように促す。
「あっはい。失礼します。」
蘭は慌てるように部屋の扉に向かう。
蘭がおじぎして先に部屋を出る。
和真が後に続く。
扉を閉める時工場長と目を合わす。
ニヤッとした表情をすると共に、これからのこと見てるぞという強い眼差しを向ける。
工場長は体の芯まで震えを感じた。
2人が入った瞬間
「申し訳ない!!昨日のこと、そして今までのこと。
大黒さんは真面目に働いてくれているのにΩだということで冷たい態度をとってきた。
これからは改めていく。
簡単に許してもらえるとは思っていないが、まだここで僕が働ける猶予がほしい。
一緒に働いてくれないか?」
予想外の出来事に驚く。
なにか怒られるのではないかと思ったら、謝られた。
いつもの工場長の雰囲気とは違っており、正直なにがなんだかわからない。
言葉に困っている蘭を見て、和真が口を開く。
「残業代は遡って請求が可能なはずです。今までの残業手当の申請を提出してもいいですよね、工場長?」
工場長は和真を怯えるように見て、下向きながら大丈夫だと伝えた。
「よかったです!大黒さん、しっかり申請してくださいね。労働者の権利ですから。」
「あっ・・はい、ありがとうございます。」
蘭はこの状況をまだ掴めないでいた。
何故かわからないが、和真の方が優位にみえる。
昨日とはまるで違う工場長の態度をまだ頭が処理しきれていない。
この短時間でいったいなにがあったんだろうか。
沈黙の時が流れる・・・
工場長が憔悴した表情で口を開く
「大黒さん、まだ一緒に働かせてもらえないかな?」
「えっ、あっはい・・。」
「大黒さん、拒んでもいいんですよ。今までされてきたことを訴えれば、辞職に追い込めます。」
急に恐ろしいことを言う和真を見上げる。
訴える?
そこまでのことは考えたこともなかった。
ただ・・・。
もう少し働きやすい環境にしてほしい。
「退職なんてしなくていいですよ。工場長にはお子さんもいらっしゃいますし・・・。
ただ、もうちょっと働きやすくなればいいかなって・・・思ったりは・・・してます。」
蘭は初めて工場長に意見を言う。
緊張で語尾がの声が小さくなる。
「異常な残業はさせない。
もし仕方ない残業があった場合は、残業手当を払う。
ヒートによる休みはしっかりとらす。休んだ後、馴染めるようにフォローする。
このようなことお願いしてみたらどうですか?
他にもなにかあれば言っておいたらいいですよ!」
和真の提案に驚くが、かなりありがたい内容だ。
他に望むことは特にない。
「・・・お願いしたいです。」
「もちろんだ。」
工場長が蘭の願いを受け入れることとなった。
退職を免れて、少し安堵の表情をする。
「大黒さんが、優しい方で良かったですね。では失礼します!」
和真は蘭に部屋から出るように促す。
「あっはい。失礼します。」
蘭は慌てるように部屋の扉に向かう。
蘭がおじぎして先に部屋を出る。
和真が後に続く。
扉を閉める時工場長と目を合わす。
ニヤッとした表情をすると共に、これからのこと見てるぞという強い眼差しを向ける。
工場長は体の芯まで震えを感じた。