あなたと運命の番になる
組み立てをしているとあっという間にお昼になる。

｢大黒さん、付いてきてもらってもいいですか？｣

｢はい。｣

和真に言われて、広い工場を一緒に歩く。

｢あの・・・どうされたんですか？｣

何も言わない和真が気になる。
なにかあったのだろうか？

｢大黒さん、着きました。｣　



工場長室の前だ。

｢えっ。・・なんで？｣

工場長に会うなんて良くない事に決まっている。出来たら会わずに過ごしたい。
昨日一緒に残業させてしまったことを怒っているのだろうか・・・。そんな素振り全くなかったから気づかなかった・・・。


｢昨夜のことですよね。こちらに来てまもない谷本さんを付き添わしてしまったことは大変申し訳ないと思っています。深夜まで残業させてしまった私に然るべき処分が下されるのは当然ですよね。｣


和真は蘭の言葉を聞いて、目を大きく見開いた。
そして優しい表情になる。

｢昨日残業したのは私の意思です。なので、大黒さんは全然気にしないでください。大黒さんに処分などありえませんから。
では行きましょうか。大丈夫です。私がついていますから、安心してください。｣

そう言ってドアをノックして部屋に入る。
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