あなたと運命の番になる
交流会の後はバーに飲みに行くことになる。
何人かの女性に声をかけられたが、すべて断わった。
いつもなら、仕事と関係のない、後腐れなさそうな女性とホテルに行ってそのままってこともある。

だが今日はそんな気分になれなかった。
交流会でもバーでもみなぎる自信と香水の強い香りがなぜか受け付けない。

ただ、今日は仕事のいい繋がりができたので、満足だった。
そう思いながらタクシーを待っていると


「和真ーーー。さっきはやってくれたな!!」

お開きになったバーの帰りに声をかけられる。

「樹じゃん。おつかれー。」
なんの事かは明確に分かっていたが、あえてその事には触れない。

「あの令嬢意外としつこくてさー、まくの大変だったんだぞ。」

樹はだるそうな表情をする。

「明日朝早かったりする?最近会えてなかったし、この後付き合えよ。」

明日は工場は休みだ。在宅で仕事をする予定にはしているが、特に早起きしないといけないこともないため、そのまま飲みに行く。
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