あなたと運命の番になる
「初めて聞いたわー。凄いな。」

「俺の両親は本当に仲良しだよ。やっぱり番の繋がりって濃いみたいで、今でも行ってきますやお帰りのキスやハグは当たり前笑」

樹は笑って話す。

「それは仲良しだわ。俺の親も仲悪くないけど、もっとドライ笑
じゃあ樹は番と出会いたいって思う?」

「そうだねー。親みてたら番はいいのかなと思う。
それに俺の妹もΩだからさ、ヒート辛そうなのとか見てると、俺の番の人も辛い思いしてんのかなって。そう考えると探したいなって感じかな。」

樹の兄の拓也はβで妹の真由はΩだ。妹がΩだったという話は樹も聞いた事がある。ヒートだから、今は家に帰らないという話を何度かしていた。
いくら兄弟とはいえ、Ωの香りに長時間あてられるとしんどいようだ。

「俺の兄貴は医者でさ、第2の性に関する専門医。妹も兄貴には色々相談してみてもらってる。それにうちは父が仕事で成功してるしお金も多少あるから、Ωの治療費を出してあげられる。母がヒート経験者だから、頼りになるしな。俺は何もしてあげられてないけど・・。でもなんかあれば助けるよ。必ずね。
Ωにしては恵まれてる方の環境である、妹ですらあんなに辛そうなんだから、もっと恵まれない環境で頑張ってるΩの人は相当辛いと思う。」


「ヒートってそんなにしんどいのか?」

「うん。おそらくな。俺はあんまり見たことないんだよ。‪α‬ってこともあって、妹のヒートが来たら家来るなって言われてるから。妹がΩってわかった時、俺大学生で一人暮らししてたしな。
ただ、俺が家にいる時ヒートになったことあって、妹が急にうずくまって、、凄い匂いさせたんだ。
妹は苦しそうに呼吸してた。身体がほてるみたいで、母が扇風機つけて、保冷剤あてて身体冷ましてた。」

樹は少し悲しそうな目で話す。

「妹がΩってわかった時、番を見つけた母ですら落ち込んでた。もちろん家族みんながな。俺はその当時Ωの大変さがあんまり分かってなかったから、深く捉えられてなかったけど・・・。」

「でも樹よく、妹と電話してたじゃん。お前の家泊まりに行った時とか、しょっちゅうかかってきてたぞ。彼女かと思ったわ笑」

「あーっそうだったな。Ωの大変さを分かってない俺に話しやすいこともあったんじゃね。兄貴や親はよく理解してたから。やっぱり高校も休みがちだったみたいだし。」

樹は少し砕けて話す。


「良いお兄ちゃんだな。」
和真の言葉に樹は少し頬を赤らめ、

「だろ!」
っとどやった顔で笑った。
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