あなたと運命の番になる
蘭をご飯を誘う。
もしここで誘いを受けいれて、ご飯を完食出来るようなら、体調不良は俺の勘違いだったことにすればいい。

返事はご飯のことではなく、仕事のミスを謝られる。
気まずそうに去ろうとされたので、ドアを閉めた。

そして体調不良だろうと告げる。
蘭は大きな目をさらに大きく見開いた。
きっと上手く隠せていると思ったのだろう。

追求しても本当のことを言うような雰囲気ではなかった。
なので、腕を軽く引いた。

蘭は足の踏ん張りがきかず、思った以上に勢いよく倒れてきた。

ぱっと蘭を抱きとめる。

華奢な体を肌で感じる。
怖がらせてはダメだと思い、抱きしめていたい気持ちを抑えて、ゆっくり立たせた。
頼ってほしいと伝えると蘭が泣き出す。

顔を隠しながらも、垣間見える綺麗な涙に、守ってやりたい衝動を抑えられず、胸に抱きしめた。
胸の中で怖がっている様子はなく、少し安心する。
そしてゆっくりと背中をさする。

蘭と離れていた心の距離が埋まっていくようだった。
1人でかかえず、頼ってほしい。
そばにいたい。
今まで感じたことのない気持ちが溢れ出した。
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