あなたと運命の番になる
社長の話しだと、働いている人はみな急いで避難したため、全員無事だった。
そのことにひとまずほっとする。

ただ、工場の大方は火災によって使えなくなりそうだということだ。今はインドの消防隊が消火活動をしており、今後は警察とともに現場検証等を行い、復旧に向けて、取り組んでいくこととなる。

インドの工場で働く多くの職員が仕事を無くすことになるので、できるだけ早く復旧しなくてはならない。

インドにいるヤマシロのメンバーと早急に考えていかなくてはならない。
そのため、今からすぐにインドに飛んでくれと言われた。

いつもの和真なら、工場の引き継ぎを早急に考え、迷うことなく向かった。
ただ、今は蘭のことが気になる。
インドの復旧には最低でも2年はかかる見込みだ。
蘭と2年も会えないのは寂しい。かといって、ついてきてと言えるような関係にはなれていない。
番となり、蘭のヒートを終わらせたいと考えていたが、それもなかなか出来なくなる。

ただ、ヤマシロの会社を背負って立つには、色恋でいけないと言える立場ではない。
インドの工場が復旧しなければ多くの社員が路頭に迷う可能性がある。
上に立つ者には責任がある。
和真は寂しい気持ちを押し殺して、インドに向かうことを了承した。
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