ストーカー三昧・浪曲、小話、落語

添田知道・ああつまらない(1)

 えー、そこでですよ、ここでまたひとつ違う演歌をご披露致したく存じます。違うと申しましても、実はまあその、殆ど同じようなもんなんですけどね。と申しますのもこの歌が最前ご披露申し上げました添田唖蝉坊の「わからない節」の替え歌なんです。そんでもってこれを作って歌っているのが唖蝉坊の息子、添田知道なんです。これはまあその…親をおちょくって作ったものか、それとも尊敬する余り作ったものなのか…ちょと分かりませんがまあとにかく行ってみます。宜しゅうございますか?はい、ではミュージック、スタート!

https://youtu.be/HaOXsswVeEM?si=yId4TLrDPkQRUdC0 (←ユーチューブ・添田知道:ああつまらない /土取利行(※これは添田唖蝉坊・わからない節の替え歌です)コピペして聞いて

(観客拍手)いやあどうもどうも。どうぞお構いなく。なんか先代の桂文治師匠みたいだな…(観客笑う)。
 えー、で、ですよ、唖蝉坊と知道の歌が…と云うより歌詞が、どう違うかと云うと唖蝉坊は社会・世間への糾弾に尽きているのですが、知道の方はもうそれに飽きて、そのような理不尽で各々が自分勝手でしかない社会の中で、ただ漠然と生きている自分に、おのれ自身に疑問符を打ち、憤慨している分けです。社会への糾弾はもう既に〝ラメチャンタラギッチョンチョンデ〟でやってしまっているのです。極論的に云えばですよ、知道は、「社会をいくら糾弾してみてもなんにも変わりゃしないんだ」と、そう悟りを開いちゃってるような気もするんですね。そりゃそうでしょう、だって最前わたくしが申し上げました通り、大正時代と現代の世相…と云うか世と人の在り方がさして変わりゃしないんですから…。
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