傷心女子は極上ライフセーバーの蜜愛で甘くとろける
「寝ててもよかったんだぞ」
「ううん。私が起きてたかったの。漣との時間、大事にしたいから」

 気恥ずかしい気持ちはありつつ、正直に打ち明ける。チラッと運転席の漣を見やると、彼は前を向いたまましかめ面で唇を引き結んでいた。
 
「…………あー、今運転中じゃなかったら確実に襲ってた」
「もう!安全運転!」
「わかってるよ」

 そう言いながらも、赤信号で車が止まるとキスを仕掛けてくるのだから油断ならない。凪は頬を赤らめながら、ずっと胸の鼓動を高鳴らせていた。

 ややあって車は凪の住む単身者用のマンションの前に停車した。
 
「送ってくれてありがとう」

 シートベルトを外す動作がやけにゆっくりになってしまったのは、漣との時間が終わってしまうことを惜しんでいるから。

(これで終わり……?でも……)

 怒りを露わに周吾から凪を庇ってくれた。彼の言葉の全てが一夜のまやかしだとは思えない。
 後ろ髪を引かれる思いで、車のドアハンドルに手をかける。
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