傷心女子は極上ライフセーバーの蜜愛で甘くとろける
「信じられないなんて言ってごめん……漣が飛び降りた時、私のせいで怪我しちゃったらどうしようってすごく不安だった……」

 彼の体についた水滴が涙と混ざり合って、凪の頬を濡らす。さめざめと泣く凪の後頭部を、漣は優しく撫でた。

「俺はそんなにヤワじゃないから平気だよ」
「……でも、高いところ苦手なんでしょ?」
「違う、苦手じゃない。ただ単に好きじゃないだけだ。……くそっ、新だな。アイツ余計なこと言いやがって」

 それは要するに苦手なのでは?
 不貞腐れたようにブツクサ言う漣がおかしい。涙に濡れた凪の顔に笑顔が浮かんだ。

 そんな凪を見て、漣が柔らかく目を細める。

「俺は絶対凪を裏切らない。だから俺と付き合ってくれ」

 ストレートな告白に凪の胸が熱くなる。
 もう、迷わない。漣に抱きつく腕に力を込めた。

「私も漣が好き。やっぱり諦めるなんてできなかった。これからもずっと一緒にいてほしいっ、きゃっ!」

 出し抜けに体を持ち上げられた。視界がグンと高くなり、向かい合った漣を見下ろす格好になる。
 
 軽々と凪を抱き上げた漣が最上級の笑みを浮かべた。

「好きだ、凪!」

 周囲からたちまち黄色い歓声が上がる。気恥ずかしさを覚えてはにかみながら、凪は漣だけを見つめ続けていた。
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