悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
“もしかしたらご両親が突然亡くなられたことと関係があるのかもしれないわね”
閨教育前に彼が当主になり、それからがむしゃらに公爵家のために生きてきたのなら、確かに知識にバラつきがあってもおかしくはない。
彼が子供を欲しがっているのも、後継ぎのため。つまりは公爵家のためなのだから。
――とは、言っても。
「公爵様の最初の奥様は、確か別の方の婚約者に一目惚れして連れてこられたんですよね?」
悪徳公爵、だなんて呼ばれるようになった一件として有名なその話が事実なら、少なくとも最初の奥様とは恋愛関係にあったはず。そして悪徳公爵と呼ばれる前に結婚に至っているのだ。
多少は元奥様側だって気持ちがあったのだろう。
互い恋しく想っていた相手とならば、デートは口付けをする機会があったっておかしくはない。
公爵様が知らなくても、相手の令嬢が一度くらいは求めて来たはずだ。
「こういう機会はなかったんですか? 想い合っていたなら、お相手からねだられることもあるんじゃないでしょうか」
「いや……、実は一目惚れしたのは俺じゃないんだ」
少し気まずそうにそう話だした公爵様に首を傾げる。
閨教育前に彼が当主になり、それからがむしゃらに公爵家のために生きてきたのなら、確かに知識にバラつきがあってもおかしくはない。
彼が子供を欲しがっているのも、後継ぎのため。つまりは公爵家のためなのだから。
――とは、言っても。
「公爵様の最初の奥様は、確か別の方の婚約者に一目惚れして連れてこられたんですよね?」
悪徳公爵、だなんて呼ばれるようになった一件として有名なその話が事実なら、少なくとも最初の奥様とは恋愛関係にあったはず。そして悪徳公爵と呼ばれる前に結婚に至っているのだ。
多少は元奥様側だって気持ちがあったのだろう。
互い恋しく想っていた相手とならば、デートは口付けをする機会があったっておかしくはない。
公爵様が知らなくても、相手の令嬢が一度くらいは求めて来たはずだ。
「こういう機会はなかったんですか? 想い合っていたなら、お相手からねだられることもあるんじゃないでしょうか」
「いや……、実は一目惚れしたのは俺じゃないんだ」
少し気まずそうにそう話だした公爵様に首を傾げる。