学年2モテるイケメン男子に失恋したら、学年1に告白されました。
……と、軽く考えていたのだけど。
1限目が始まって15分経ったころ。
「では、教科書102ページの大問2を9時10分までに解くように〜。当ててくからな」
……えっ。
ま、まずいよね……これは。
このままじゃできない。
あの先生はいつも、くじ引きで生徒を当てる。
だから、私が当てられる可能性も十分。
意を決して隣を見ると、紀田くんは机の中を漁っていた。
その顔は、少しだけ焦っているようだった。
よく見たら、机の上にノートと筆箱しかない。ちょっとまって、紀田くんも教科書がないのでは!?
彼も自分の左隣を見るけど、欠席で人はいない。
白いチョークがなくなったので補充しに行ってくると、先生が教室から出て行く。
すると紀田くんは後ろを向いた。
「なあ紘貴、数Aの教科書2冊……持ってたりしねーよな?」
「さすがに持ってないって。え、忘れたの?」
私の斜め後ろの席に座る紅野くんと、小声で会話をする紀田くん。
……って、そりゃ2冊は持ってないと思う。
「……じゃあ、俺と菅野さんで1冊見るから、これ貸すよ」
「ほんと? まじでありがとう!」