総長様は溺愛も暴走する
案内をするように、テルくんは私に手を差し伸べようとして―――その手を途中で引っ込めた。
「テルくん?」
「いや、そーだった。初歌ちゃんは紅蓮のカノジョだもんね」
忘れてたよ、と笑うテルくん。
えっ、な、なんでそんな誤解が…⁉
「ち、違うよ!私が紅蓮くんの彼女だなんて、分不相応な…」
「分不相応? じゃあ、好きではあるってこと?」
きっとこの好きは、友愛のことじゃないんだよね…。
違うといいそうになるけど、なぜかつっかえる。
恋愛じゃ、ないのにな…?