さようなら
三年後…




「結衣!待って!」


達也さんは結衣を追い掛けた。


私はベビーカーと荷物を持ち、

二人の後を着いて行った。


結衣は今、歩くのが大好き。


ちょこちょこと走り回っている。




「紗英ー!ここにしよう!」


「うん」


大きな桜の目の前に、

シートを敷いた。


私はお弁当とおはぎを並べた。


達也さんは真っ先に

おはぎを食べた。


「美味い!やっぱり紗英の

おはぎは最高だね!」


達也さんと私は笑った。


そして結衣も。


母が達也さんと私を

引き合わせてくれた。


そして温かい家庭を

築かせてくれた。


「達也さん、また来年も来ようね」


「もちろん。毎年来よう」




穏やかな風が吹く。


一輪の桜がヒラヒラと舞う。


そして、私のおはぎの上に

舞い降りた。


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