身代わり

身代わり

「なぁ、アイツまた告白されたらしいぜ」


「いいよなぁー何で俺らは告白されないのに。アイツとは何が違うんだろうな?」


最初は憧れと敵対心だった。


友達よりも先に彼女が欲しい


僕はおばあちゃんに絶対に行くなと念を押された神社に行き、神様にお気に入りのアクセサリーを神様に渡した。


そして翌日僕はちょっと可愛いなと思っていた子に告白された。


即OKした。


友達が悔しがる姿を見て僕は勝ち誇ったような気持ちでいた。



数年後、僕は社会人となり、沢山の上司に散々こき使われているのが嫌になり、権力と引き換えに思いやりの心を渡した。


すると、うなぎ登りで出世し、遂には代表取締役にまで登り詰めた。

そんな時だった。会社の面接に来た女の子が僕の好みにド直球で僕は即彼女を採用し、神社へと駆け込み彼女の為に片脚を渡すことを神様に誓った。


翌日から彼女は会社で働くことになり、彼女から告白もされ、トントン拍子に話は進み遂には同棲まで始めた。



だが、そんな幸せは長くは続かず僕は交通事故に巻き込まれ物理的に片脚を失った。



それからは出来る範囲の仕事はしつつ、彼女の支えに助けられながらもなんだかんだ幸せな日々を過ごしていた。




数十年後、彼女が僕よりも先に旅立ち



彼女を取り戻すべく、神社へ向かい神様に願う。



そして僕にはもう何も残されてはいなかったと思い知ることになる。



「お前さんそれは無理っしょ。神だからって何でもかんでもタダで叶う訳がねぇ」



神様には開口一番にそう言われた。



「どうしても彼女に…妻に会いたい」



「んーまぁ、出来ねぇことはねぇけどよ。お前さんの魂と引き換えに婆さんを生き返らすことになるけど、それでいいのかよ?お前さんが生まれ変わっても、婆さんとは再会も出来ねぇ人生になるぜ?」



「そんな…」



「やめるか?」



「あぁ…」



そうして僕は彼女の居ない家で独り、今日もお茶を啜っている。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

4人の兄に溺愛されすぎて困ってます!?

総文字数/19,100

恋愛(逆ハー)13ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「「「「コマリ〜♡」」」」 「なぁにー?」 「今日のおやつはコマリが一番好きなクッキーだよ〜!」 「本当っ!?」 「あぁ、俺様がしっかり見て来たから間違いねぇぜ」 「さぁ、コマリ。早くおててを洗って一緒におやつを食べよう♪」 「うん!」 「ちょっと!ふたりばっかりずるい!コマリ、おやつが終わったら僕と遊ぼうよ!」 いつまでもずっと家族として大好きな存在だと思っていた。 甘えん坊末っ子家族のアイドルコマリ(槙尾瑚莉) ‪✕‬ 優しいのにイタズラ好きな長男のハルキ ‪✕‬ チャラいのに優しくエスコートしてくれる次男ナツキ ‪✕‬ 愛嬌のある笑顔と華奢な身体で可愛いと人気の三男アキト ‪✕‬ クールで一匹狼…だが、ツンデレな4男フユト これは、魔女に育てられている少女コマリ(瑚莉)が魔女見習いのお兄ちゃんたちに溺愛される物語。 ♡ ••┈┈┈┈┈┈┈┈•• ♡ ••┈┈┈•• ♡ 感想やいいねなどをしてくれると励みになります!是非ともよろしくお願いします。
【マンガシナリオ大賞】君に恋して

総文字数/12,486

恋愛(学園)15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
こちらの作品はマンガシナリオになります。 「第7回noicomiマンガシナリオ大賞」にエントリーしています。 ♡ ••┈┈┈┈キャラクター┈┈┈┈•• ♡ 笠原 珠李(かさはら みり) 幼馴染の米田 麻琉と家族ぐるみで仲が良かった。 だが、小学校4年生の時にカップルとからかわれ次第にふたりで居る時間がなくなった。 そのことを珠李は寂しく思っている。 米田 麻琉(よねだ まひる) 性格 ツンデレ、珠李の言うことは何でも叶えてくれる。優しい。 米田 麻琉は幼馴染の珠李が大好きで、世界一愛してる。 だが、からかわれたことにより気まずくなり学校では関わらないようにしたら珠李から避けられるようになり寂しく思って居る。
禁断の恋〜グラジオラス〜

総文字数/12,970

恋愛(学園)11ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
主人公のサトが恋をして、好きな人に振り向いて欲しくて奮闘するもライバルは強敵で!?

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop