男性不信のお姫様と女性不信の王子様はカボチャ姫を愛す

ラブストーリーは突然に②

ーー王都にある王室御用達のブティックに着いた。

馬車の中ではお兄様のせいで恥ずかしい思いをしたわ。
ドレスでも見て気を取り直しましょう。

「ようこそお越し下さいました、アレクシス殿下。どうぞごゆっくりご覧下さい」

「ありがとう。そうさせてもらうよ」

ブティックの中をザッと見渡した感じだと……どのドレスも私には着こなせそうにもないような……
とても大人っぽいデザインのものばかりだわ。

「エレノア、今見てて思ったのだが…… 艶やかなドレスが多いようだな」

「そうですわね…… お兄様」

そうだったわっ!!
このカルテア国の女性は身なりが派手だったわね。
キャロライン王妃も華やかなドレスだったし……
しまったわっ、、
ここは都会よ!!
田舎者の私には全く似合わなさそうなドレスばかりじゃないっ!!

ブティックにずらりと飾られている、煌びやかで妖艶なドレスを及び腰になりながら物色する。

困ったわね……着れそうなものがないじゃない……


「エレノア、オーナーに青色のドレスを見繕って試着室に持って来るように頼んできたよ」

アレクシスいつの間に……気が効くわね。

「ありがとうございます」

「それではエレノア様、ご一緒に試着室に参りましょうか?」

「えぇ、そうしましょう」

私とエマは試着室へ移った。

♡♡

試着し終えたけど……しっかり確認しなかった私が悪かったわ。
これは大胆に胸元があいたドレスだったのね。

「エレノアーー!! 試着は終わったのか?」

「はい…… ですが……ちょっと……」

「どうしたんだ? 着替えたのなら見せてくれれば良いではないか。扉を開けるぞっ」

「ダ、ダメです!! お兄様、開けないでーーッ!!」

ーーガチャッ、、

開けるなって言ったのにーーぃ!!!!

「…… エ、エ、エレノア…… 」

大きく胸元のあいたドレス姿の私を前に、お兄様とアレクシスが唖然としている。

そうよね、こんな色っぽいドレス……私には似合ってないわよね……恥ずかしい……

「「そのドレスは着てはいけないッ!!!!」」

何よ……キリッとしてお二人で同じことを被せて言って……
言われなくてもわかってるし……私だって似合わないと思ってるわ。

「きちんとデザインを確認せず渡してしまって申し訳なかった。エレノアにはそういったドレスを人前で着て欲しくないんだ!!」

どうしてそんな真剣な表情に……?

「そうだぞッ!! そのドレスは男を誘惑してしまいそうだ。我が妹には少々刺激が強すぎる。やめておきなさい!!」

そうなの……
でも誘惑なんかしないわよ!!
私は男性不信なんだからっ!!

けど……アレクシスはどうしてこのドレスを人前で着て欲しくないと思ったのかしら?
まさかっ、、
私のことを気にして……
まさかね……?

「エレノア…… 私が持って来させて試着までしてもらっておいてすまないが…… その…… 目のやり場に困るから着替えてきて欲しい……」

「は、はい…… そうします……」

やっぱり気にしてくれてるのかしら?

ど、どうしよう、どうしよう!!
アレクシスが私を気にしているのかも……と思ったら私も意識しちゃって気まずいわ……

一体どうしちゃったの?









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