男性不信のお姫様と女性不信の王子様はカボチャ姫を愛す
ラブストーリーは突然に③
結局あの店で一番露出の少ないデザインのドレスを選んだんだけど……
赤い色のドレスになっちゃったわね。
私には赤いドレスもとても刺激的な感じがする。
こんなにもドレス選びに時間がかかって苦労する事になるとは……。
いつもハンナに任せっきりだったから、どう選んでいいのかが分からなかったわ。
お兄様なんてあっという間に選ばれたというのに……
考えてみたら地味なドレスを懸命に探しているだなんて……さすが田舎者の姫だわ!!
それはそうと、何度も試着して体力を使ったせいでお腹が空いたわねーー。
アレクシスお勧めの海沿いにあるシーフードレストランに来たけど、この窓際の席から見える景色が素晴らしいわぁ。
穏やかに波打つ海も、陽の光を浴びて煌めいてる……
それに……メニューも美味しそう~~!!!!
「アレクシス、ここは何がお勧めなんだい?」
「ここはシーフードパエリアが美味しいですよ!!」
ーーなにそれ!?
「…… シーフードパエリア…… 食べたことがないですわね……お兄様?」
「そうだな…… ウェンスティール国では聞いたこともないなっ」
「シーフードの旨みがたっぷりと味わえますよ!!」
「では、そのパエリアというものを頼むとしようではないか!!」
「そうですわね!!」
ーーパエリアってどんな食べ物かしら?
楽しみだわ!!
それにしてもカルテア国の王都はすごく活気づいていて賑やかねぇ。
色んなお店が並んでいるわ……どこも景観が……やっぱり派手ねっ。
♡♡
「お待たせいたしました」
ほわっと潮の香りとスパイスの匂いを漂よわせながら、アレクシスお勧めのシーフードパエリアがテーブルに置かれる。
ーーギョッギョッ!!
こ、こ、これは…… 食べてはいけないものなんじゃ……
「まっ、真っ黒ですわよ!! アレクシス、なんですか…… この恐ろしい食べ物は……」
「イカ墨のパエリアだよ!!」
「えっ? なに? イカ墨の…… 聞いたことないですわね……」
完全に疑いの目で見てしまうわ!!
「エレノア、心配しなくともアレクシスが勧めているのだから大丈夫だ!!」
そうは言うけど……大丈夫なの……本当に?
「エレノア、美味しいから食べてみて」
まぁ、アレクシスが言うのなら……
「そうですわね」
お腹も空いてるし……疑う心より空腹に抗えない私がいるわ。
この際よ、いただきましょう!!
この世の物とは思えないほどに黒々しいパエリアをおもいきって口に入れた。
あらっ、、美味しいじゃないっ!!!!
「美味しい!! アレクシス、とっても美味しいで…… す……」
ハッ、、
た、た、、大変よーーーー!!!!
アレクシスの口が真っ黒になっているわ!!
お、お、お兄様達の口まで……
これは……これは……毒……
毒を盛られたのよーーーーッ!!!!
「ど、ど、、どうしよう!! 危険よ、み、みんな急いで吐き出したほうがいいわっ!! みんなの口が真っ黒に変色しているのッ!! お水を…… お水を飲んでーーみんなーー!!」
「エ、エレノア、落ち着いて!! これはイカの墨が口に付いてしまっているだけだから!! フッフッ」
顔面蒼白し、大騒ぎしながらお水の入ったグラスを手渡そうとする私を見て、アレクシスが笑いをこらえている。
「ヘッ……? これはイカの…… 墨なの……? ビ、ビックリするから食べる前に説明して下さい!! イカの墨が口に付く食べ物だなんて知らないですもの!!」
「驚かせてすまなかったね…… プッ、ハッハハハーーーー」
笑い事ではないのよ!!
私一人でバカみたいじゃないのっ!!
でも……なぜかアレクシスの笑顔を見ると……胸が……
「ブラッドさん、お口に付いた墨をお拭きしますよ」
「ありがとう。エマ」
ブラッド、嬉しそうね。フフッ。
「お前達は何を二人でイチャイチャしているんだ!!」
「イチャイチャなんてしていませんよ!! ジョセフ様」
ブラッドとエマ……幸せそうね……
恋人同士っていいわねぇ。
「私も可愛い妹に拭いてもらうとするかーー!!」
「何を言っているのです!! お兄様はご自分でなさって!!」
「冷たいな、我が妹は。それではアレクシスの口を拭いて差し上げたらどうだ?」
またおかしなことを言っているわ……
そんな恥ずかしいことしないわよ!!
「拭いてもらってもいいかい、エレノア?」
えっ、、アレクシスもお兄様の悪ノリに真面目に付き合ってどうするの!!
な、なに……じっとして待ってるような……
もしかして拭かれるのを待っているの……今……
「わ、わかりました。お拭きしますわ……」
ナフキンを手に取り、口に付いた墨を優しく拭き落とす。
コシコシ、、
「ありがとう!!」
私は一体何をさせらているのかしら?
だけど……なんだかドキドキしちゃう……
おかしいわね……どうして?
心臓が変よ……
赤い色のドレスになっちゃったわね。
私には赤いドレスもとても刺激的な感じがする。
こんなにもドレス選びに時間がかかって苦労する事になるとは……。
いつもハンナに任せっきりだったから、どう選んでいいのかが分からなかったわ。
お兄様なんてあっという間に選ばれたというのに……
考えてみたら地味なドレスを懸命に探しているだなんて……さすが田舎者の姫だわ!!
それはそうと、何度も試着して体力を使ったせいでお腹が空いたわねーー。
アレクシスお勧めの海沿いにあるシーフードレストランに来たけど、この窓際の席から見える景色が素晴らしいわぁ。
穏やかに波打つ海も、陽の光を浴びて煌めいてる……
それに……メニューも美味しそう~~!!!!
「アレクシス、ここは何がお勧めなんだい?」
「ここはシーフードパエリアが美味しいですよ!!」
ーーなにそれ!?
「…… シーフードパエリア…… 食べたことがないですわね……お兄様?」
「そうだな…… ウェンスティール国では聞いたこともないなっ」
「シーフードの旨みがたっぷりと味わえますよ!!」
「では、そのパエリアというものを頼むとしようではないか!!」
「そうですわね!!」
ーーパエリアってどんな食べ物かしら?
楽しみだわ!!
それにしてもカルテア国の王都はすごく活気づいていて賑やかねぇ。
色んなお店が並んでいるわ……どこも景観が……やっぱり派手ねっ。
♡♡
「お待たせいたしました」
ほわっと潮の香りとスパイスの匂いを漂よわせながら、アレクシスお勧めのシーフードパエリアがテーブルに置かれる。
ーーギョッギョッ!!
こ、こ、これは…… 食べてはいけないものなんじゃ……
「まっ、真っ黒ですわよ!! アレクシス、なんですか…… この恐ろしい食べ物は……」
「イカ墨のパエリアだよ!!」
「えっ? なに? イカ墨の…… 聞いたことないですわね……」
完全に疑いの目で見てしまうわ!!
「エレノア、心配しなくともアレクシスが勧めているのだから大丈夫だ!!」
そうは言うけど……大丈夫なの……本当に?
「エレノア、美味しいから食べてみて」
まぁ、アレクシスが言うのなら……
「そうですわね」
お腹も空いてるし……疑う心より空腹に抗えない私がいるわ。
この際よ、いただきましょう!!
この世の物とは思えないほどに黒々しいパエリアをおもいきって口に入れた。
あらっ、、美味しいじゃないっ!!!!
「美味しい!! アレクシス、とっても美味しいで…… す……」
ハッ、、
た、た、、大変よーーーー!!!!
アレクシスの口が真っ黒になっているわ!!
お、お、お兄様達の口まで……
これは……これは……毒……
毒を盛られたのよーーーーッ!!!!
「ど、ど、、どうしよう!! 危険よ、み、みんな急いで吐き出したほうがいいわっ!! みんなの口が真っ黒に変色しているのッ!! お水を…… お水を飲んでーーみんなーー!!」
「エ、エレノア、落ち着いて!! これはイカの墨が口に付いてしまっているだけだから!! フッフッ」
顔面蒼白し、大騒ぎしながらお水の入ったグラスを手渡そうとする私を見て、アレクシスが笑いをこらえている。
「ヘッ……? これはイカの…… 墨なの……? ビ、ビックリするから食べる前に説明して下さい!! イカの墨が口に付く食べ物だなんて知らないですもの!!」
「驚かせてすまなかったね…… プッ、ハッハハハーーーー」
笑い事ではないのよ!!
私一人でバカみたいじゃないのっ!!
でも……なぜかアレクシスの笑顔を見ると……胸が……
「ブラッドさん、お口に付いた墨をお拭きしますよ」
「ありがとう。エマ」
ブラッド、嬉しそうね。フフッ。
「お前達は何を二人でイチャイチャしているんだ!!」
「イチャイチャなんてしていませんよ!! ジョセフ様」
ブラッドとエマ……幸せそうね……
恋人同士っていいわねぇ。
「私も可愛い妹に拭いてもらうとするかーー!!」
「何を言っているのです!! お兄様はご自分でなさって!!」
「冷たいな、我が妹は。それではアレクシスの口を拭いて差し上げたらどうだ?」
またおかしなことを言っているわ……
そんな恥ずかしいことしないわよ!!
「拭いてもらってもいいかい、エレノア?」
えっ、、アレクシスもお兄様の悪ノリに真面目に付き合ってどうするの!!
な、なに……じっとして待ってるような……
もしかして拭かれるのを待っているの……今……
「わ、わかりました。お拭きしますわ……」
ナフキンを手に取り、口に付いた墨を優しく拭き落とす。
コシコシ、、
「ありがとう!!」
私は一体何をさせらているのかしら?
だけど……なんだかドキドキしちゃう……
おかしいわね……どうして?
心臓が変よ……