「レモン½で食べよ!」

 「…ただいまー!…香歩?帰ってるの?朝、お弁当忘れて行ったでしょう」
 「おかえりただいま!!お母さん、私、ダイエットするって言ったじゃん。お弁当、明日からしばらくいいよ」
 「そんなこと言って。帰りにお友達と買い食いしてたら、意味ないわよ?炭水化物は抜いて、タンパク質中心のお弁当にするから。ちゃんと持って行きなさいね」
 「うっそ!ありがとー!!手間なのに、ごめんね。…あ!お風呂!今から洗うね。遅くなっちゃった…」

 玄関のドアが開いて閉じる音にすら気が付かなかった。
 どうしたんだろう、戸田くん。
 部活には入ってなかったと思うんだけど…、もしかして、私、即行ブロックされた?

 でも、ルミが連絡先を聞いてくれた時、いつもと変わらず無表情だったし、机に出されていた次の授業のノートに、すぐにサラサラとIDを書いてくれた。
 それからルミではなくて私にその紙を手渡すと、すぐに読んでいた本の世界へと再び没頭しはじめた。

 ー 私の顔を、一度も見てくれなかったな…。

 そう言えば、旧約聖書じゃなかった。
 もう読み終わったのかな。
 隣人を愛する気持ちは、もうないって証明?



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