魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
それは新しいお客様ではなく、リラフェンのお義兄さんであるフィトロさんだ。どうやら私たちのお店の様子が心配でわざわざ見に来てくれたらしい。
そこへ今までぐったりとしていたリラフェンが、苛立ちのはけ口を求めて食って掛かる。
「悪い想像ってどういうこと? お義兄様にはこうなっている原因が分かるっていうの?」
「なんとなくね……」
「だったら、どうして先に教えてくれなかったのよ!」
「なんでも教わるだけじゃ人は成長できないよ。実践して失敗することを繰り返して、そこで気づいたことだけが自分の糧になるんだ。これからは自分たちだけで生活してゆくんだから、危機感ってやつを持って貰わないと。リラも僕を頼らずとも済むよう、ひとり立ちしないとな」
口を尖らすリラフェンを宥めた後、フィトロさんはこちらに顔を向けた。
「でもさすがにこのまま放置させて、またディクリド様のお力を頼るようなことになってはサンジュさんも頭が上がらないでしょうし……アドバイスをしに来ました。ひとつは、これについて」
フィトロさんが一枚の紙片を私たちの目の前にかざした。それは、私たちが準備したあの広告だ。
そこへ今までぐったりとしていたリラフェンが、苛立ちのはけ口を求めて食って掛かる。
「悪い想像ってどういうこと? お義兄様にはこうなっている原因が分かるっていうの?」
「なんとなくね……」
「だったら、どうして先に教えてくれなかったのよ!」
「なんでも教わるだけじゃ人は成長できないよ。実践して失敗することを繰り返して、そこで気づいたことだけが自分の糧になるんだ。これからは自分たちだけで生活してゆくんだから、危機感ってやつを持って貰わないと。リラも僕を頼らずとも済むよう、ひとり立ちしないとな」
口を尖らすリラフェンを宥めた後、フィトロさんはこちらに顔を向けた。
「でもさすがにこのまま放置させて、またディクリド様のお力を頼るようなことになってはサンジュさんも頭が上がらないでしょうし……アドバイスをしに来ました。ひとつは、これについて」
フィトロさんが一枚の紙片を私たちの目の前にかざした。それは、私たちが準備したあの広告だ。