魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
「まさにお前が今してくれているように、幼い頃母上は俺にこう膝枕して、色々な話を聞かせてくれたよ。きっと母親が子にしてやる、ありふれた行動のひとつなのだろう。しかし、俺にとってはそれもまた特別だった。あの人にそうしてもらえることが、なによりも幸せだった」
彼は自分の手で瞼を覆い、擦れた声で言った。
「会いたいな……」
光るものが目尻を伝い、私の膝の上に落ちる。
「会えたら、なにをお話ししましょう」
「そうだな……。話したいことはいくらでもある。未だ仇を取れていないことを叔父上には謝らねばなるまいな。それでも、今もハーメルシーズ領は健在なこと。配下たちにも次々と新しい家族が生まれていること。たくさんの、よき友人たちと出会えたこと。話すべきことはたくさんある」
そういえば、私もひとりだけ会ってみたい人物がいる。私の本当のお母さん。彼女が傍にいて、一緒に暮らしてくれていたなら、私にはまた別の未来が待っていたのだろう。
彼は自分の手で瞼を覆い、擦れた声で言った。
「会いたいな……」
光るものが目尻を伝い、私の膝の上に落ちる。
「会えたら、なにをお話ししましょう」
「そうだな……。話したいことはいくらでもある。未だ仇を取れていないことを叔父上には謝らねばなるまいな。それでも、今もハーメルシーズ領は健在なこと。配下たちにも次々と新しい家族が生まれていること。たくさんの、よき友人たちと出会えたこと。話すべきことはたくさんある」
そういえば、私もひとりだけ会ってみたい人物がいる。私の本当のお母さん。彼女が傍にいて、一緒に暮らしてくれていたなら、私にはまた別の未来が待っていたのだろう。