魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
ザドは映身のミラーのひとつを手に取ると、自分の今の容貌を確認して、地面に叩きつけた。
「はははははは!! てめぇらが考えやがったことですべて台無しだっ! 有り得ねぇ!」
怒りを相貌に滾らせ、荒々しい足取りでザドが向かって来る。私の背中はすぐに壁に付き当たり、追い詰められた。
「わかっただろ? 俺はなぁ、もう終わっちまったんだ。父親からしけた子爵号なんか譲り受けたところで、二度と栄華は……今までの暮らしすら掴めねぇだろう。なのに……ソエルは後ろ盾を得て伯爵として領地を貰い、お前はこうしてここで平和に楽しく魔導具の店を経営してますってか……? ふざけんじゃねぇ、許せる訳ねぇだろうが……!」
「……あぐっ!」
ザドが私の頭を掴み上げ、もう片方の握ったナイフの柄で、思いっきり頬を殴りつけた。二度ともう受けることのないと思っていた暴力の痛みが、実家で暮らしていた頃を思い出させ、私の身体が竦みだす。
「はははははは!! てめぇらが考えやがったことですべて台無しだっ! 有り得ねぇ!」
怒りを相貌に滾らせ、荒々しい足取りでザドが向かって来る。私の背中はすぐに壁に付き当たり、追い詰められた。
「わかっただろ? 俺はなぁ、もう終わっちまったんだ。父親からしけた子爵号なんか譲り受けたところで、二度と栄華は……今までの暮らしすら掴めねぇだろう。なのに……ソエルは後ろ盾を得て伯爵として領地を貰い、お前はこうしてここで平和に楽しく魔導具の店を経営してますってか……? ふざけんじゃねぇ、許せる訳ねぇだろうが……!」
「……あぐっ!」
ザドが私の頭を掴み上げ、もう片方の握ったナイフの柄で、思いっきり頬を殴りつけた。二度ともう受けることのないと思っていた暴力の痛みが、実家で暮らしていた頃を思い出させ、私の身体が竦みだす。