クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「は? 詩穂、あなた、人の彼氏に手を出したの?」


「まさか! 違うよ、私はそんなことしない」


「じゃあ、和也が嘘ついてるって言うの?」


「……私は、瑠香を裏切ったりしないよ」


「和也、どうなの? いったいここで何してたの?」


瑠香の怒りはどんどんヒートアップしている。


「……べ、別に」


山本さんは、不貞腐れたようにつぶやき、舌打ちした。


「別にって何? まさか、和也。あなたが詩穂に声をかけたんじゃないでしょうね?」


「バカ言うな! 俺は何もしてない。詩穂ちゃんから声をかけてきたって言ってるだろ」


「違います! 山本さん、瑠香に嘘つかないで」


「うるさいな、お前。最悪にウザイ女だな。真面目なだけが取り柄のつまんない女。そんなだから瑠香に男を盗られたんだろ。瑠香、お前もだ。めんどくさいし、たいして可愛くもないし、もう交際解消だ。じゃあな」


山本さんは人が変わったように私達に向かって吐き捨てた。
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