クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「そんな怖い顔しないでさ、俺と仲良くしようよ。真面目な詩穂ちゃんも可愛いよ」


突然腕を掴まれ、体を引っ張られる。
山本さんから臭う、キツイ香水の香りが鼻について吐き気を覚えた。


「止めて! 離して」


「詩穂ちゃん、あいつに復讐したくないの? 俺が手伝ってやるって言ってんの。な、部屋に入れてよ。ここで騒いでたら近所のやつらが出てくるよ」


「嫌! 離して! 本当に帰って下さい! 瑠香に復讐するなんて考えたこともありませんから」


「和也! 詩穂と何してるの!?」


必死に腕を振り払い、山本さんから離れた瞬間、帰ってきた瑠香の怒鳴る声がエントランス中に響いた。
恐ろしく歪んだ形相が、瑠香の怒りのレベルを表していた。


「……る、瑠香に会いにきたら、詩穂ちゃんに声かけられてさ、無理やり誘われたんだよ」


「ちょっ、ちょっと!」


酷すぎる嘘に思わず叫んだ。
< 127 / 278 >

この作品をシェア

pagetop