クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「詩穂、わからないの? あなたと桐生課長じゃ、見た目の差があり過ぎるでしょ? それに身分にも大きな差がある」


「瑠香……」


確かにその通りだ、何も言い返せない。
瑠香は昔から自分に自信がある。その強さを、私なりに「瑠香の良いところ」として受け取っていた。


「私はお金には困らない生き方をしてきた。今だって困らないくらいの蓄えもある。頼めば出してくれる男もいるし。それに、あなたの両親に融資したのは誰? 1番困った時に助けたのは私の両親でしょ。その恩を忘れたの?」


またその話……


「ごめん、瑠香。この前も言ったけど、あの時は本当に融資をお断りしたんだよ。でも、瑠香のご両親の優しい気持ちに甘えてしまった。もちろん感謝はしてるけど、でも、それをいつまでも言われたら……やっぱりつらいよ」


「最低、よくそんな事が言えたよね」
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